☆ ゆっくり回し ☆
So Slow

★スピードキューブは、速く回して早く6面を完成させるところが一番の醍醐味です。 しかし、ある時点からは速く回し過ぎると返って6面完成タイムが遅くなります。なぜでしょう?

☆私がよく使う例え話で、F1ドライバーの話があります。
レースの時はコースのレイアウトを覚えてしまうくらいに走り込みますよね。 もし、これが一度も走った事が無いコースだったとしたら、最初から思いっきりアクセルを踏んで走るドライバーは まず居ないですよね (^^;。 コースレイアウトがわかっているからこそアクセルを踏み込めますし、もちろん適切なブレーキもかけられます。 つまり先が読めていないと、コーナーの手前で必要以上にブレーキをかける必要がありますし、極端な話で、もし シケインだった場合には・・・それこそ一旦停止してしまうかも知れません。

☆前置きが長くなりますが、スピードキューブも同じ雰囲気です。
これから自分がどう回せば良いのかが読めていないのなら、いくら速く回しても6面完成タイムは早くならないのです。
★このページのビデオは、「ゆっくり回していても、止まっている瞬間が短かければ6面完成タイムは早くなる。」 という事を再現したものです。 もしかしたら初めて見られる方には速く感じるかも知れないですけど、キューブの回転が止まっている瞬間が 少ない事を確認して頂ければO.K.です。(^^)
6面完成ビデオ:ゆっくり回しのサンプルです→ So Slow (690 kb *.asf) 10/23_2002

手順 解説 (Explanation of solution.)
★回転記号の表記方法などがマニアックで難しいかも知れないですけど、何かの参考にして頂ければ幸いです。
それからF2Lの解説のためにRubik Playerを数手進めて使っていますので、 初期状態に戻したい時にはブラウザの更新ボタンを押して下さい。
崩し手順(クロス面(D面)を青色、手前面(F面)を黄色とした状態から以下の手順)
Scramble algorithm. (U-face Blue, F-face Yellow)
B'D R2 F2 L'- F2 U R2 U'R'- U R2 F'R'U - B2 R D2 R'B2 - L B2 D'F'U'
6面完成手順
Cross
(u') B'F2 L R Uw R'D 7手)
★まず、クロス用のエッジを4個探しておきます。
この時に、それぞれのエッジをクロスセンターに合せようとするワケですが、各エッジが何手で揃うかを考えます。 この際、側面センターの配置は無視して考えると、青が「F'」で1手、青が「R'」で1手、 青が「L2」で1手、 そして青が「F'L」または「F R'」の2手で揃う事が解かります。
★次に各エッジ同士の位置関係を考えてみます。
この時にもちろん何通りもの関係が考えられますが、このビデオを撮った時の考え方で解説します。 まず視覚的に簡単な配置だと感じるのは、青と青の関係です。 それぞれ1手ずつで揃いますし、対面位置の配色なのでお互いに影響無く揃える事ができます。
次は青と青の関係を見てみます。 これらは直角位置の関係ですが、青を「L2」で揃えた後に 「B」と回す事で簡単に青を揃えられる事が確認できます。
★ここまでで、クロスエッジ3個目までの手順が読めましたね。(^^)

★では、最後に4個目エッジと側面センターを揃える手順を考えてみます。
幸いな事に3個目エッジまで揃える手順を回しても、側面センターの配置は変化しない事が予測(洞察?)できます。 そしてここで必要になってくるネタがありまして「クロスエッジを側面からクロス面に揃える手順」です。
R U'w R, R' Uw R', L U'w L, L' Uw L'」の4種類です。 D面クロス方式ではとてもよく使う手順(基本的な動き)ですので・・・と言っても左手をシッカリ使う手順が ありますけど、この動きをマスターしていないとD面クロス方式の美味しさは半減してしまいます。
★手順読みの話に戻ります。m(_ _)m
3個目エッジを揃えるまでの手順を回し終わっても側面センターが変化しない事は上で書きましたが、 更に4個目エッジもその場から移動しない事も読めたりします(^^;。 この時に青エッジとその下にある側面センターの色との関係を考えてみます。 側面センターの色が黄色なので、青エッジと併せて見ると対面位置の関係になっている事が確認できます。 そしてD面クロスの基本手順を使うと、側面センターは2層回しで90度変化する事を思い出して下さい。 なので基本手順を回した後に側面センターも揃えるためには、更に90度の回転が必要になります。
★この考え方は色々なバリエーションがあります。
今回の状態では4個目エッジと側面センターの関係が対面位置ですが、これが直角位置だった場合には・・・ そうです、その為に基本手順が4種類あるのです。
私は右利きですので「R U'w R, R' Uw R'」が回しやすいのですが、 今回の場合では何となく「R U'w R」になりました (^^;。 たぶん・・・私は普段から「黄色面に」と捉えて回していますので、 最後に黄色センターを手前に持ってきた方が安心できると思ったのでしょうね。(^^)
F2L #1
U L'U'L2 U L' 6手)
★F2Lの1ペア目は、イキナリ「抜き〜揃えの短縮手順」です(^^)。 しかもそれの逆手使いですので御了承下さい。m(_ _)m
そして実は左図の青緑赤のペアは、クロス手順後半の基本手順を回している頃から追跡しています。 左図の状態を見て「抜き〜揃えの短縮手順」だと判断できるようになるには別の修行が必要なのですが、 これも慣れで何とかなると思います (^^;。
★そしてこのペアを揃えるために、速く回してしまってはN.G.です。 探す順番が微妙ですけど、クロスが完成して左図のペアを確認できた時点で2ペア目探しに出かけます。 (これはマジです、ハイ。) そして2手目「U L'」まで回した時点で青緑橙のコーナーキューブが底から出てきますので、 これのペアになるエッジを探します〜ですけど、即、F2L_I1のペアになっていますね (^^;。 ここで大切なのは「F2Lのお友達関係のページ」ネタで、 このペアがどのように変化するかを予測しておきます。 つまりこの時点では、まだF2L#1のペアが揃い切っていませんので、見つけたI1ペアがそのままなのか 変化するのかに早く気がついている必要があります。 その後、3手目の「L2」を回した時点で見つけたI1ペアがT1ペアに変化する事が確定できます。
F2L #2
U- (u') L U L' 4手)
★特に解説は要らないかもですね。(^^)
でもまた「逆手使いの背面スロット揃え」です。
F2L#1の後半部分で、このF2L#2ペアが揃うまでの手順がシッカリ読み切れていますので、 後は同じくゆっくり回しながら3ペア目を探します。
★逆手使いとか背面スロット揃えをするときに大切なのは、このF2L#2の1手目 「U」の瞬間のように、トリガーと同時に左シフト(u')してしまう事です。
そう言えば、左手を使う事は難しいのですが、逆にキューブの右サイドの領域から、 次に揃えたいペアを探す事が比較的簡単にできる感じもします。 そしてF2L#3のペア、青赤黄のペアを発見できます。 この時にF2L#3のペアを揃えるためには、左シフト(u')AUFの「U'」が必要な事も意識して下さい。
F2L #3
(u') U'- R'U R 4手)
★やっと右手メインの手順です。(^^;
普通と言えば普通ですけど、RBスロットに向けての背面スロット揃えには違いありませんね。 このペアも簡単に揃いますので、その代わりにゆっくり回す必要があります。 何度も出てくるこの「ゆっくり回し」ですが、手数の少ないペアを揃える時には探す時間も少ないのです。 このF2L#3の4手を思いっきり速くFSCで回して、それから次のF2L#4のペアを探す方法も確かにあります。 しかし直ぐに見つかるという保障はありません。
でも・・・望みが無いワケでもありません(^^)。 このF2L#3のペアが揃え終わったら、残りは何色のペアが残っているのか頭の中で探して下さい。 つまり「見て探す」のではなくて、「見たい色を探す」のです。 これができていないと「(u') U'- R'U」の時点で、青赤黄のコーナーキューブは発見できても、 そのペアになる赤黄のエッジキューブは直ぐに探せないハズです。 しかも探せていたとしても、どんな手順の配置になるかまでを読み切る事は更に困難です。
今回のビデオの場合だと左シフト(u')AUFの「U'」をした時点で、手前のFU位置に移動してくる F2L#4の赤黄エッジキューブが3層目に存在している事を既に確認済みです。 なので現在回しているF2L#3ペアの手順中には青赤黄コーナーキューブのみを探している事になります。 これらの事がシッカリと意識できていないと、F2L完成までノンストップで回し切る事は難しいのです。 この方法は「まだ揃え終わっていないペアの色を逆算する」というネタです。(^^)
F2L #4
(u) R'U'R U'R'U'R 7手)
★ふ〜っ、長いですね (^^;。書いている私も疲れてきましたが、読んで頂いている皆さんは更に大変かもですね。m(_ _)m

★最後の4ペア目はF2L_R2のもう一つの手順です(自称、裏手順)。 F2L_R2の場合だと、基本手順図では1手目のAUFが「U'」になっています。
U'- R U' R'U F' U' F
今回のビデオの手順では、この1手目のAUFが「U」から始まる手順を使っています。
U -(u') R'U'R U'R'U'R
この手順自体が回しやすいという事もあるのですけど、問題はやはりこの手順の配置だと判断できるかどうかですね。
ポイントはやっぱり「F2Lのお友達関係のページ」ネタです。 F2L#3の最後の1手「R」を回す前には、F2L#4ペアの青赤黄コーナーキューブと赤黄エッジキューブの 配置はF2L_Q1になっています。 そして「R」を回し終わるとF2L_R2に変化します。
★それからもう一つ大切なポイントがありまして、完了していないスロットが何処にあるかを意識しておく事です。 これを前もって意識できていないとF2L_R2になる事は予測できていても、このペアを揃えるために 無駄なAUFをしてしまう事になります(私もよくしますけど。^^;)。

★そしてこのF2L#4を揃え終わればF2Lは完成ですので、できれば加速して下さい(^^)。 ビデオでは解説のために加速していませんけど、最初にトライしたときにはシッカリと加速しました。 (というより癖です。^^;)
O L L
o13 = T10
o13 = T10
Rw U' R'w U' Rw U R'w (u') R'U R 10手)
元の手順は「L F'L'U'L F L'F'U F
OLLパターンの内で70%くらいは2つの面(主にU面とF面)だけで判断できる事は 「OLL〜2面判断のページ」でも解説しています。 このビデオでのOLLも簡単に判断できるパターンでした (^^)。
手順自体も元々は「逆手メイン回し」と捉えていたのですが、2層回しが有効な場合も結構ある という事が判ってからはワリとスムーズに回せるようになりました。
★その他、OLLで実践的なポイントとしましては、最後のFSCを回している間にPLL判断用のペアを探します。 最後から2手目の「U」を回した時点でL面3層目の側面に、コーナーペア■□■が現れます。 このコーナーペアは最後の1手「R」を回しても変化しない事は簡単すぎるくらい明らかです(^^;。 (でも本当は、コーナーペアに挟まれているエッジの色も、両サイドのコーナーの色と見比べて、 同色系なのかそうで無いのかを確認しておくとGOODです。^^)
次に見るのは普通にF面(手前面)です。 最後の1手「R」を回し切った時にどんな状態になるかを構えておきます。 (実はある程度は逆算方法で予測できます。^^)
このままPLLに続きます。↓
P L L
n1 = p7
n1 = p7
U'U'-R'2 Dw R'w R U'U'R'Rw Dw Rw'2 12AUFの1手を含む。)
(元の手順「R2 U S' U2 S U R2」のスライスカウントだとAUFを加えて8手。)
★左図はOLL完成の2手前の状態になっています。 OLLのところで書いたようにPLL用のコーナーペアが手前に見えています。 配色は「FLU - FU - FRU = 赤・緑・赤」ですので「コーナーペアに非同色系のエッジが挟まれている」 という事を確認しておきます。 と言っても、もちろん瞬間的な事ですし、このコーナーペアだけでPLL手順は確定できませんので「なんとなく」でO.K.です。 次のOLL最後の1手「R」を回した瞬間に殆どの場合で確定されます。
実はこのビデオのPLLはかなりのイージーケースでした。 OLL完了時に、F面にもコーナーペアができました。 しかもR面にはトリオ■■■が即・発見できます。 この時点でPLL n1n2のどちらかだという事が確認できます。 実際にはPLL用のAUFをしなくてもn1,n2判断は可能です。 しかしPLL判断をするタイミングも色々ありまして、私の場合はPLL用のAUFU'U'」を 回している間にn1なのかn2なのかを確定しています。 少しポイントなのはトリオを発見してからAUFをするのではなくて、コーナーペアを直角位置の側面で 見つけた時に反射的にAUFしています(=しまいます。^^;) つまりOLLが完了した直後に、そのままPLL用のAUFをついでに回してしまうという事です。 この方法はコーナーペアだけに限らず、コーナー&エッジペア■■□の時にもシッカリ使っています。 でも、もちろんこの方法だけでは万全で無い部分もあるのですけど(コーナーペアが1ペアしか発見できなかった時とか) その時はそれで別の苦肉の策を使っています。

★どちらにしても大切なのは、コーナーペアを発見したついでに間に挟まれているエッジの色も意識しておく事です。 この事は、PLL2側面判断(21パターン×4側面)をする時にとても役に立ちますよ。 もちろんコーナーペアを見えないところにAUFしてしまっても、何色の状態だったかを残像として残して おく事もPLL手順の早期判断には欠かせないポイントですね。

あっ、手順の回し方については6人6色ですので、必ずしも私の方法がマシだとは思わないで下さい (^^;。 現在はまだRubik Playerで2層回しが表現できないので(できるようになるのかなぁ?頼んではあるのですけど。。。) 左図の動きではちょっと解かり辛いと思います。m(_ _)m
Total
Cross: (u') B'F2 L R Uw R'D 7手)
F2L #1: U L'U'L2 U L' 6手)
F2L #2: U- (u') L U L' 4手)
F2L #3: (u') U'- R'U R 4手)
F2L #4: (u) R'U'R U'R'U'R 7手)
O L L: Rw U' R'w U' Rw U R'w (u') R'U R 10手)
P L L: U'U'-R'2 Dw R'w R U'U'R'Rw Dw R'w2 (12手 )
AUFの1手を含む。スライスカウントだとAUF 1手+7手= 8
S,M,Eのスライスムーブは1手としてカウントしていますので、トータル46手でした。
全体としましては、「いつもこれくらい落ち着いて回したいなぁ〜」というのが正直なところです。 「次にどう回せば良いか」をシッカリ探せるようにする為に意識してゆっくり回すのですが、 シッカリ探し切れてしまうと速く回したくなるのが難しいところです (^^;。 それから探しやすい状況、逆に探しにくい状況にも確かに遭遇しますので、それに合せてスピードコントロール する事が大切になってきます。 F2Lは手順化されていますので、練習さえすればキューブを回す手の技術はかなり進化して行きます。 しかし、これが返って探しにくくしている要因だったりもします。(^^; という感じで、ゆっくり回しについてなんだかんだ書いてしまいましたけど、ネタが多過ぎますので 色んなページで表現して行こうと思っています。

★最後に・・・全く矛盾してしまいますけど、同じ崩し手順で思いっきり速く回したビデオもついでに撮りました。 やっぱり、速く回す事も楽しいですよね (^^)。 これはこれで自分の限界に挑戦できますので、それはそれで良いのでは?というところです。 (ホンマかいな。)
同じ崩し手順の速回しバージョンです→ So Fast (600 kb *.asf) 10/23_2002
★皆さんも自分がキューブを回しているところをビデオに撮ってみて下さい。
きっと「何か」を発見できると思いますよ。(^^)